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| 番犬アカの話 母屋に行く道に、大きな気性の荒い犬がいる。 彼を、アカとする。 繋がれっぱなしの雑種ドックの雲古イヌ。 憎しみが全身からあふれている。 特に憎いのは、緑色の営林署のトラックのようだ。 何時でも、何にでも、ボクにも、のどを鳴らして吠えかけるのだ。 とても恐ろしいやつだ。 母屋に入るのに、その前を通らなければならないんだ。 クサリよ!!切れよ!!とばかりに立ち上がって吠える。 子供のボクよりも、頭一つ以上デカイ。 彼は、赤犬と呼ばれているが、名前が無いのかも知れない。 ちっとも、赤くない、茶色だ。 ふと思った、誰が彼を愛してやるんだろう。 |
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| ある日、カシクバアチャンがアカに餌を与えているところを見てしまった、アイツったらしっぽ振ってヤガンの。 全然態度が違うのだ。 でも、ボクが通ると、また吠えた。 アイツは番犬なのだ、憎ったらしくて恐ろしいが、使命は果たしているのだ。 子供なんか、自分より階級が下だと思っているんだ。 それから、何年も後で聞いたのだが、ついにあの鎖が切れたのだ。 勢い良く飛び出したアカは、もう二度とファームに、戻らなかった。 知らせをうけ行ってみると、トラックにやられて道端の草むらに転がってたそうだ。 憎らしいやつだが、哀れである。 アカは帰りたくても、帰れなかったのだ。 それよりも、あふれる憎しみに勝てなかったのかも知れない。 「ペスは、子犬の時に、かあさん犬が、トラックにひき殺されたの見ているからなあ。」とハルオジが言ってた。 アカの本当の名前はペスだったんだ。 子犬の時は、可愛がられていたが、すぐにデカクなり、トラックを目の敵にして飛び掛かって行くのだ。 危ないので、繋がれっぱなしの雲古イヌになってしまったのだ。 トラックに挑んだアカはもう、かあさん犬と、離れることはなく、あの悲しみや憎しみからも解放されてるだろう。 繋がれっぱなしの、雲古イヌにだって、そうなった訳があったのだ |
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