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ワイヤーアートのロータスフィート
 

 

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三鷹オスカー・歩いて四分

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Henry Kumasaburo

 

第2部

 

 角のオモチャ屋は、洋モク、パイプたばこも売っている。
毎日店の前を通るたびに目が、合っちまうので、クマのぬいぐるみも買った。
そのオモチャ屋の向いに、ラーメン屋がある。
俺はラーメンは嫌いだ。
子供の頃、食べ過ぎて苦しくなってゲロはいてそれっきり、ラーメンは嫌いになった。
今も、食べない。 食べられないことはないけれど食べない。
チュウカザンマイは食べる。 あれはラーメンとは別のクイモンだから。
オモチャ屋の向かいにあるラーメン屋は、B級グルメとは別の趣向の常連がいるらしい。
ラーメンは嫌いだから、気にもしていなかったが!!
ジャノメのバイトで知り合いになった、サカタ君が、「あそこのラーメンはうまいんだ!!今度バイトの金が入ったらおごりますよ!!」と言う。
 俺は、例によってクソミソにラーメンをけなして、冷し中華なら好きだといった。
それでも「いやあ!! とにかく彼処のラーメンをおごりますよ」と、いつになく強気なサカタ君である。 まあアイツは、アソコのラーメンが、好きらしい。
      三鷹らーめんカルトか?  ラーメン・ナンカ・ナーンダ師のおことばでアール。 一同 心シテキケ!!  師のたまわくデアル。 宗教を他人に説いても無駄である、自分自身でモノニスベシ。   アナカシコ、アナカシコ。
 ジャノメのバイトは、中東紛争激化。 中東各国軍事力拡大。中東各国兵士増員。
中東各国軍事服不足。 日本全国石油必要。 日本製品無印良品。 と言う訳でミシンメイカー新兵募集、オイラ生活費必要、という、ほんとうは余り荷担したくないバイトで、あったのだ。
ミシンのメカは、機関銃のメカと同じらしい。古参工員のおじいさんが云っていた。
朝鮮戦争の時も、その前も中央線沿線に軍需工場があって賑わっていたらしい。
サカタ君とは、中央線でムサシ小金井まで通っていたので、たまに俺のところで飯を食ったり話しをしたり、ただそれだけの気楽な、友達だった。
彼の子供の頃の、エロ映画館便所の小窓から進入作戦と、浜辺に流れついた北鮮工作員の
腐乱死体入りのゴムボートと、その備品の話は興味をそそられた。
 それは、少年画報、冒険王等の付録顔負けの少年探偵団スパイ七つ道具セットであったそうな。 「黒メガネとか、ツケヒゲなんかあるんですよ!!」彼は小馬鹿にしたように笑ったが、新聞には報道されない情報であった。 サカタ君は、山形生れで、漫画家志望の青白い、線の細い東北人だ。
気弱さの中に、微少のシブトさを隠し持っている。 バイトしながら学んでいるらしい。
休日には、神保町でビニ本あさりをして教材だと称して使っているそうだ。
何に、使っているのやら。 月曜日になると、必ず休んだり遅れてくる。
「アア!!太陽が黄色く見える」と、青白い顔をして云っていたのを聞いたことがあった。
うしろから、オイ程々にしろよと声をかけると「ナ、ナ、ナンで知ってるんですか?」
探求者だ!! 俺にはここまで出来ん。
山形県の実家の親は、帰るように云ってきてるらしい。
「俺、玄米を圧力釜で炊いて食べているんだよ」と、なにげにいったら、実家から米を送ってもらっているらしく、俺にもくれた。
「ヘエ−そうなんすか、ボクも玄米食べてるんですよ。宜しかったら差し上げますよ」とうことで、何故かもらったのは新潟米であった、美味い!! とっても美味い!!
高校生のイチモンジがくれた、大型圧力釜ビース号で炊いた彼の玄米を、カリー・ナーンダ師直伝の口伝保持者の俺が作ったカリーを、サカタ君に食わせてみたら。
ショック状態であった。
「エエーッ!!コッこんなにうまいのー!!」聞いてみたら、彼は土鍋で一時間かけて炊いて食っているらしい。
「オレ、今度ぜったい圧力釜買おーっと!!」お互いに金もないくせに、そう言った彼の目が真剣だった。

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