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ワイヤーアートのロータスフィート
 

 

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三鷹オスカー・歩いて四分

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Henry Kumasaburo

 

第4部

 

 あの日も、例によってサカタ君と二人でビールを飲んで盛り上がっちまって。
三鷹駅のオモチャ屋の向いにある例のラーメン屋へ、行った。
シラフでは、いかない所である。
とても小さな店である、繁盛しているらしい。
ラーメンを食った。
サカタ君は、得意げに「ここのラーメンは美味いんだ!!」自分の事のように、自慢している。
ファンというのは有り難いものだ。
俺の感想はマズイであった。
麺がモソモソしている、信州蕎麦のようだ。
ラーメンが嫌いで、二十年ぶりに食べてラーメンの味を忘れていたって、やっぱりここのラーメンはマズイ。
 それより気付いたんだが、ここに来る客の面相がなにか変だ。
皆、それぞれどこか似ている雰囲気がある。
皆どこか、同じ穴から這出してきた生き物のような感があるのだ。
此処のラーメンを食べていると、そう成ったのか?
そのような人々を、此処のラーメンが、引き寄せるのか?
そういえばサカタ君も、目つきが、何だか彼らに共通のものがある。
店を出てから、彼が満足そうな顔で、「お気にめしませんでしたか?少し残しましたね?」
「うんいやあ、御馳走様」とかなんとかいって、その夜は別れた。
 あまりの不気味さに、いつもの悪口雑言はなりをひそめてしまった。
我ながら情けない。
俺は、振り返って、小さなラーメン屋を見た。
暗がりの中に黄色いノレンが、中の光を透して、ボワッとみえる。
三鷹駅前商店街は暗いんだ、特急や急行がとまる駅なのにね。
吉祥寺の隣なのにね。
 何なのだろう。 あそこの雰囲気は?
熊男や、狼男や、蛇女のマヌカンが、静かに、モソモソしたラーメンを憑かれたようにすすっていた。
ロクロッ首の髪の長い女事務員もいた。
夢だったのか? いいや、確かにあのモソモソ感は、口の中に残っている。
 後日、食通を自負している、怪しい関西人オザキになにげなく聞いてみたっけ。
「あそこのラーメン屋知ってる?」 彼は知っていた。
「シャブでも入ってるんじゃないの?」と言うと、食通のオザキは、「ウウーン・・・・・・・ひとは、すきずきだからなあ」といって言葉をにごしていた。 アレッ!!・・・・・・・ひょっとして!!オザキも。・・・あそこのメンバーなんだ!!・・・そういえば・・・・・噂だと・・・彼は何にでもオカメソースをマッタリとかけて食べるらしい。
それって、食通の関西人には、あるまじき行為である。
以来、三鷹駅に夜遅く帰った時などに、黄色いノレンを遠目に見てしまう俺であった。
一度だけ、オザキのらしい、紫色のヤマハが店のそばに停めてあるのを見た。
怪しいメンバーが音も無く、モソモソラーメンを、モソモソすすっている、怪しい集会が密かに行われているかも知れない。
なんたって、此処いらは一寸前ならキツネとタヌキの縄張りだったんだもの。
交通事情の良いこの時代である。
絶滅した日本狼が、武蔵野近辺で姿をかえて生き延びていたって不思議ではない。
 あれからサカタ君の姿が見えなくなった。
彼は、ガレージの二階の一部屋に住んでいると、以前、サカタ君の彼女が云っていた。
「すっごく寒いんだよう。 それからこれナイショなんだけどさ、サカタ君のふとんにガムテープが張ってあるんだよ」バラすなよ、そんなこと。
彼女も変わった人だった。
黒ブチメガネに、ぼさぼさの長い髪やせて胸もないし、うっすらと、ヒゲも生えていたので。
変だとは思いながらも俺は、しばらくの間、男だと思っていたのだ。
 サカタ君に「ごめん!! 彼女には、云わないで!!」と謝ると。
「いえませんよ!!そんなこと!!」怒られてしまった。
きっと、オノヨ−コのファッションを真似てたのかも知れないし、知り合いにそっくりな男がいるのだ。
奴はヒゲが、薄いくせに、のばしているのだ。 「そんな、男っているだろーっ!!」
だがしかし、バイト仲間も「あいつどうしたんだろう、今回は長いなァ、まさか、アレやりすぎでガレージの二階でヒカラビてんじゃあないの」
「近くに赤い玉が一つ転がっていた」なんて冗談をとばすやつもいたが、笑えなかった。
そうかもしれない、なにしろ探求者である。
危険な一線をこえてイッテしまったのかもしれない。
シャブ、ヒロポン、より怖い。
政府もそれを止める政策を、放棄して、半ば、野放し状態である。
自民党は、共産、社会、コーメ−野党連合オバハンたちに、あんなイヤラシイこと許してドースンノ、ド−スンノと、政府の無策ぶりを、罵られ、国会は大乱闘、年内には解散との憂き目にあっている。
また新手の宗教団体は、国内の混乱に乗じて金持ち独身男性数千人を言葉たくみに勧誘し外国人女性との海外大合同結婚式をおこない私有財産の放棄を、うながし、教祖様が、有り金持って雲隠れ、という詐欺事件を、起こし世間をさわがせている

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