welcome to www.lotusfeet.net
ワイヤーアートのロータスフィート
 

 

* * * * * * * * * *

* * * * * * * * * *

 

三鷹オスカー・歩いて四分

第1部 第2部 第3部
第4部 第5部

Henry Kumasaburo

 

第5部

 

 サカタ君は大丈夫だろう。
お金もないし、一応ガール・フレンドもいるし。
それにしても、何処に消えてしまったのだろう。
 彼の家も知らないし電話も付けてない、行動範囲もわからない、神田神保町の古本屋街と三鷹駅前のラーメン屋ぐらいか。
気晴らしにオスカーに、入る。
眼鏡をかけた、いつものモギリ嬢だ。
 彼女は、オスカーオープン当時から居るらしい。彼女もラーメン好きかな?
この暗闇はやっぱり落ち着く。
コッポラの三本立て特集だ。
フラニ−に、逃げられて、しょぼくれたハンクが、ダシェル・ハメットになって、後頭部一撃され、ぶっ倒れるやがて、気が付くとそこは、ベトナムのジャングルだ。
虎に脅えながら小便ちびって、ローマン・ブランドのサニアシン達に首を切られて犬死にという内容だ。
三本まとめると、そうなる。 前に何回も観たんだ。
 オスカーの作り物の闇から出ると。 世間は本物の夜だった。
また一日生き延びてしまった。 オモチャ屋の角まで来ると閉まっていた。
しかたがないので自販機でショート・ホープ二個、ガチャ!!ポン!!
 短い希望が、煙りになって夜空へ登ってゆく。
振り返ると、あのラーメン屋に灯がみえた。
 黄色いノレンをくぐると、「へい、オマチ!!」コップの水がでてきた。
「はやいなァ。カレーライス一つ大盛り!!」「お客サン、うちは、ラーメン屋なんですアルヨ。カレー無いアルヨ、ラーメンいっぱいアルヨ、お客さんラーメンいっぱい食べるアルヨ、ワタシお金持ちワタシ幸せアルネ」
 謎の中国人コックは藤村有弘そっくりで、二番手の餃子ライスも、簡単に、いなしてしまった。 「お客さん日本人とても餃子すきアルネ。 日本人餃子作り間違ってるアルネ。 焼いたらだめアルネ、餃子茹でるのことよ。 日清侵略戦争の時に私の、オ爺サンが腐った残飯、豚に食輪酢の忘れて、嫌な日本兵隊に食和背鱈、右舞馬居大ヨロコビよ、その兵隊さん敗戦後、腐った餃子日本中に広めたよ!!今では、餃子王と餘ばれてるアルヨ、そんなに餃子好きならアメ横行くよロシネ、アナタきょうはラーメン食べる有るヨロシイカ。 中国のふるーいコトワザアルネ、ラーメン食わねば男の恥ってねえ。孔子様のお言葉アルヨ!!」こいつには、勝てない。
サカタ君もこないし、おとなしくラーメンを、食って帰った。
不思議なことに、それほど不味くは、なかった。
厨房のすみでナルトを切ってる痩せた老人も、どこかで、見覚えのある顔つきだった。
伏し目がちに、俺を盗み見している。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 その夜おかしな夢をみた。
北の工作員サカタが、ゴムボートで、吉祥寺から人喰い川といわれる三鷹上水を、のぼり、闇に乗じて上陸した。 黒メガネとツケヒゲをしている。
キムチの瓶を秘かに、ピョンヤン商会に運んでいるのだ。
だがしかし、これを阻止しようと、コンミンタンのフジムラ大佐と、その配下オザキがサカタの隠したキムチの瓶全てに、マッタリとしたオカメソースをぶち込んでいる。
その場所は、どうも俺がバス釣りに行く青田のワンドらしい。 何故か?三鷹上水は、相模湖につながっていた。
万助橋の欄干で、ナルトを切ってる痩せた支那服の老人には、やはり、見覚えがあった。
 そうだ、間違いないアイツ!! 陳シュウマイ、こいつは驚いたぜ!! まだ生きていたのだ!! アイツが黒幕だったのか!!
少年探偵団の俺の右手が、無敵の日活コルト百連発を、探った時だ、俺の後頭部にキツーイ一撃。
 オザキの幻のリール、アブ・ガルシア2500Cから放たれたキングサーモン用スプーンが命中、ゆれる視界の中で、日相園のボートに電動モーターの怪しい関西人の声がした。
「ヒデサンごめんねーエ!!」 あいつ腕を上げたな!!
うすらいでゆく視界の中で俺がバラした、ワンドの主が大きくライズした。
うぐっ、何んって、デカいんだ!! ますますデカくなる、アア誰か、俺の両手を縛ってくれエーッ!!

第1部 第2部 第3部 第4部 第5部

Copyright(C)2004 LOTUS FEET All Rights Reserved.